白黒

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「ほら、歯ぁ喰いしばれよっ!」 「ひぃ!」 そう声を漏らして、俺の拳を受けた最後の1人は、呆気なく倒れこんだ。 今、すげえいい音だったな。 もしかして歯抜けたか? ちゃんと忠告してやったのにな。 「にしても、そっちから喧嘩吹っ掛けといてこの弱さかよ。つまんねぇ」 「あの人数相手に無傷…」 「さすが斎藤さん!すげえッス」 「お、おう、まあな!はーっはっはっは!」 まあ誉められれば悪い気はしないな、うん。 …でも最近物足りねえんだよな。 喧嘩しても、ちっともスッキリしねえし。 あーくそ!またイライラしてきた。 ゲーセンでも行くか…あ、金ねえからその前にカツアゲだな。
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