異世界

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うーん、コータ・サイトーとか… いやいや、それはないだろ。 この際だ、異世界から来たと正直に言うか? 人間だってことは隠しておいて… 待て待て。そんなこと言ったって信じてもらえるとは限らない。 結局怪しまれてしまうんじゃないか? 30秒くらい頭を捻ってみたが、いかんせん馬鹿だから良い解決法は見つからない。 「……コータさーん?」 「あー……俺、記憶喪失かも!」 面倒になった俺は、もう投げやりになっていた。 言ってしまってから、記憶喪失だなんてもっと怪しまれるだろうな…と思ったが。 「そうだったんですか!?あ、もしかして、私が引きずり回したせいでしょうか!?」 「コータくん!そういう事は早く言わなきゃ駄目よ!?」 兎の親子はすっかり信じていた。 しかも、なんかすごく心配してくれている。 ……………変な奴等だ。 その後、俺はテティの部屋でカウンセリングを受けることになった。
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