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──約500万年前、世界に1つの種が落とされた。
種はやがて芽を出し、一輪の花を咲かせる。
それこそがセイレンカの花であり、この星であった。
セイレンカの美しさに魅了された神は、聖水を与えた。
そして、水を得たセイレンカは生命を宿らせ…──
「って寝ないでください!」
「えー……勉強は苦手なんだよ」
この世界について知りたいのは山々だが、小難しい話を聞くとどうにも眠気が抑えられない。
「しょうがないですね…所々省略して話しますから」
「おー、頼んだ」
「こほん…次は人間と獣人の誕生についてです」
テティは教師にでもなったつもりでいるのか、ちょっと偉そうにしていた。
──ある時、神の遣いを名乗る者がやってきて、2匹の生物にそれぞれ素敵な贈り物をしたという。
1つは"知識"を。
もう1つは"力"を。
知識を得た生物は人間となり、
力を得た生物は獣人となった。
それから彼らは互いに助け合い、支え合って生きてきた。
だが、更に力を求めた人間は獣人を拘束し、その力を利用し始めた───
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