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「へー…」
俺は歩きながら、感嘆の声を漏らしていた。
朝は窓からしか見られなかったが、実際に外に出ると、また違った感じがする。
建物もそうだが、何より獣人達がそのファンタジックな世界観を醸し出していた。
「こっちは猫で、あっちは鶏か?…なんか爬虫類みたいな奴もいるし」
「あれ、コータさーん?こっちですよー?」
テティが小さな店の前で振り向いて、俺を呼ぶ。
店はピンクを基調とした乙女チックな造りで、それを見た俺はシカトしたい衝動にかられた。
「アイツ、本気であんな所に入る気かよ…!」
俺が入ったらいい笑いもんだっつーの!
だがテティが立ち尽くしてる俺を見かねて、腕を掴んできた。
「何してるんですか。ほら、早く入りましょう」
「あんな店に入れるか!」
「お店の人に失礼ですよー」
「やめろコラ!離せ!」
必死の抵抗も虚しく、店内へと連れ去られる俺だった。
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