異世界

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店内は外装ほど乙女チックではなく、意外と落ち着いた雰囲気だ。 至るところに布が置いてあるが、これが商品なのだろうか。 「いらっしゃいませ」 間もなく、奥から狐の女性が現れる。 年はシルフィアさんと同じくらいといったところか。 「こんにちは、サミーさん。今日は注文していた物を取りにきました」 「ええ、出来てるわよ。確かここに…」 サミーと呼ばれた狐は、足元の引き出しから数枚の布を取り出した。 「この4枚でいいかしら?」 「はい、大丈夫です」 テティは布を確認して、小さな袋から通貨らしきものを支払う。 小さなコインを置いてるようだが、それがどれくらいの金額なのかは分からない。 千円くらいか? 等と見当をつけていると、サミーさんと目があった。 「君、見ない顔ね。旅人さんかしら?」 「いや…」 「迷子になってたのを、私が助けたんです!ね、コータさん?」 …ちょっと何かが引っかかったが、迷子になってたのは確かなので目を瞑るとする。 「コータくんって言うの。私はサミー・ランケットよ、よろしくね」 「よろしく…」 握手を交わす俺達を、テティが微笑ましげに眺めていた。 こんな奴等しかいないのか、この世界は。
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