39人が本棚に入れています
本棚に追加
中はやたら綺麗で、やけに不気味な雰囲気だった。
「おぉーい。誰かいないのかよー?」
とりあえず呼びかけてみる。
が、返事はない。
蝋燭は点いてるから、誰かいると思うけどなあ。
怪訝に思いながら祭壇まで行くと、巨大なステンドグラスに圧倒された。
「すげ……でか」
だが、そのステンドグラスは何を表しているか全く解らない。
1番上に"大きな何か"が1つと、回りに"小さな何か"が数え切れないほど、描かれているようだけど…。
「普通、こういうのは神様をでっかく描くんじゃねえの?」
「描いてあるじゃありませんか。カミサマ」
「!?」
後ろから返事が聞こえてきて、柄にもなくビビった。
振り向くと、そこには白黒の妙な紳士服を着た男が立っていた。
俺の靴をくわえた犬と一緒に。
「あ!俺の靴返しやがれ!」
「おや、貴方様の靴でしたか。私の愛犬が失敬をしたようで、申し訳ございません」
男が犬を促すと、大人しく靴を置いてくれた。
俺はそれを履きながら、怪しい奴等だな。と警戒心を高める。
最初のコメントを投稿しよう!