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「寝てる……よな?」
ビクッと肩が震える。
さすがに、真幸くんまでいることは予測していないだろう。
何だか居心地が悪くて、少し身をよじる。
「!」
こつんと、硬い感触。
上履き同士が当たった。
そうだ、靴を履いたまま。
シーツを汚したら、深沢先生に怒られるかも……。
いきなり前髪を撫でられ、驚いて顔を見合わせる。
唇を薄く開いていて、表情が読めない。
ただ、あたしを見つめているだけ。
今すぐ目をそらしたくなって、でもそれが出来ない。
この唇が、あたしの唇に……。
「あのさ、寝てるならそれでいいんだけど……」
寝ているであろうあたしを気づかってか、綿貫くんの声は大分トーンが落ちている。
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