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「……お前のせいだからな」
なにが……?
あたし、綿貫くんに何かした?
何かされ続けてきたのは、あたしの方でしょ。
そんなことを言いたくて、わざわざ来たの?
「は……ぁ」
長い口づけが終わって、耳にキスを落とされる。
「んん……っ!」
耳が、音よりも先に吐息を感じる。
唇よりももっと、大きく聞こえる。
「お前がいつもいつも見てるから」
綿貫くんが、何か言ってる。
真幸くんの息づかいで、よく聞こえない。
「そっち見ちゃだめ。俺だけ見てください」
真幸くんが発したそれは、“声”じゃなく、ほとんど“息”。
「ひあ……っ!?」
「先輩、黙って」
「あ……」
「バレちゃってもいいんですか?」
「っ……!!」
綿貫くん、言いたいことがあるなら、後で聞くから……。
早く行ってくれないと、変な声が、出……――!
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