「強引」

76/120
107153人が本棚に入れています
本棚に追加
/714ページ
「……お前のせいだからな」 なにが……? あたし、綿貫くんに何かした? 何かされ続けてきたのは、あたしの方でしょ。 そんなことを言いたくて、わざわざ来たの? 「は……ぁ」 長い口づけが終わって、耳にキスを落とされる。 「んん……っ!」 耳が、音よりも先に吐息を感じる。 唇よりももっと、大きく聞こえる。 「お前がいつもいつも見てるから」 綿貫くんが、何か言ってる。 真幸くんの息づかいで、よく聞こえない。 「そっち見ちゃだめ。俺だけ見てください」 真幸くんが発したそれは、“声”じゃなく、ほとんど“息”。 「ひあ……っ!?」 「先輩、黙って」 「あ……」 「バレちゃってもいいんですか?」 「っ……!!」 綿貫くん、言いたいことがあるなら、後で聞くから……。 早く行ってくれないと、変な声が、出……――!
/714ページ

最初のコメントを投稿しよう!