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「起きてても、寝たふりしてろよ。今から喋ること、聞くなよ」
綿貫くん、なんて無茶な。
聞かない。……聞かないから、お願いだから、ここから離れてほしい。
ふたりきりでベッドにいることでさえ、胸が騒いで仕方ないのに。
なんか、すごい……いっぱいキスされてる。
あたし、初めてなのに。
無理矢理に若葉マークを引き剥がされてる気分。
そんなあたしの気も知らず、綿貫くんは用件を話しだした。
しかも、聞いてはいけないらしい。
「お前が、結構前からグラウンド見てたの、知ってた」
……え?
主語があるようでないような言葉に、まず何のことを言っているのか理解しがたかった。
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