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にっこりと笑っている。
……けど、笑ってない。
ギシッと音を立てて、ベッドがきしむ。
あたしは枕のある方へ後退りをして、真幸くんはベッドに手をついて近づく。
「誰?先輩」
「綿貫くん……」
「ふーん……」
下がりすぎて、この狭いベッドではもう移動出来るスペースがない。
「何で嘘ついたんですか?俺に隠さなきゃいけないことでもしたんですか?……武さんと」
「し、してないよ!何も――」
ピタッと、頬が手のひらに包まれる。
「こっち見てください。ちゃんと」
息を飲む。
胸が苦しい。
真幸くんは、怒ってる。
でも、それが……嬉しい。
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