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「最近、先輩は武さんとばっかりいる」
それは、やきもち……でしょ?
「そんな、別に……」
「うそつき」
「あ……――!?」
両肩をつかまれ、下に倒される。
頭の下には、ちょうど枕が。
目の前には、天井の蛍光灯を遮って、真幸くんの顔がある。
逆光で、輪郭だけを薄く照らして、全体的に暗く映る。
まだ剥がしていない絆創膏のはじっこに爪が立てられ、膝がピリッと小さく悲鳴を上げる。
「っ……痛……」
「いりませんよね、こんなの」
「っん……!」
絆創膏に守られていた部分が、外気に晒(さら)されて、風もないのに、すーっと冷たくなった。
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