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「中倉さん、嫌なものは嫌って言わなきゃ。したらダメだなんて言わないけどね、こういうのはその場の勢いだけでするもんじゃないのよ」
かしこまって言われると、とても恥ずかしい。
先生が来なかったら、どうなってたんだろうって思う。
「冗談」だから、先生は関係なしに、どっちにしろ途中で終わってたのかな。
冗談……なんだもんね。
戸惑っていたのは、あたしだけ?
「だから、嫌がってなかったってば」
「黙りなさい、エロガキ」
石を殴る音、3回目。
保健室なのに、ここで怪我人が増えてしまいそう。
「ほらほら、ふたりとも何時だと思ってるの?いつまでも学校に残ってないの」
気を取り直した先生が、パンパンと手を叩いた。
重い体を持ち上げて、ベッドから下りる。
「あっ」
忘れてた。膝やら腕やら、体中が痛いんだった。
加えて、微熱。
上手く2本足で立てなくて、ふらついてしまい、とっさに真幸くんが抱きとめてくれた。
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