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「からかうの……やめて……」
自分でも、泣きそうな声だと思った。
冗談でも、やめてほしい。
あたしは、久我くんとそんな関係は望んでいなかった。
ここから、見るだけ。
それだけ。
本当に最初はそれで良かった。
それが良かった。
そう思っていたのに。
「ほんとに……やだ……、だめ……」
他の女の子と、一緒にしないで。
目を閉じて、見ていない間に、お互いの体は離れていた。
「ごめんなさい」
いつも元気なはずの彼の、静かな声。
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