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「教えてください。俺……」
背中に隠した手が姿を現す。
ゆっくりと距離を縮めて、頬に近づく。
「……逃げなくていいんですか?触っちゃいますよ」
逃げられるわけがない。
ずっと見ていた人が、そこにいるのに。
あたしも、気になる。
この人が、どんな人なのか。
これ以上近づくのは怖い。
傍にいたら、どうなるの?
だけど、知りたい。
もっと知りたい。
「っ……」
頬に、他人の体温。
長い指の形が、分かる。
「本当に……白い」
そう言われるのは、嫌い。
なのに、反論できなくて、黙って受け入れた。
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