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小鳥のさえずりがこだまする、森の中…
わだち「う、うーん…」
先ほどまで気を失っていたわだちが目を覚ました。
わだち「何だろ、ここ…
て、重っ!?」
わだちは起きあがろうとしたが、再び地面に沈んだ。
わだち「いったい何が…」
わだちはその重量の原因を調べようと、背中をまさぐった。
わだちの背中に、十字架型の細長い物が見つかった。
わだち「これって…?」
好奇心旺盛なわだちはその細長い物を手に取ると、端と端を持って恐る恐る引っ張った。
すると、鋭利な剣が露わになった。
わだち「おお…」
わだちは刃の部分を見つめていた。
わだち「…そうだ、こんなことをしてる場合じゃない!
みんなは!?」
わだちはようやく立ち上がり、周りを見渡した。
しかし、辺り一面森の緑色だった。
わだち「慶介! 駿! 健司!
いるなら返事してくれ!」
わだちは懸命に声を張り上げたが、返ってくるのは虚しく響く山びこだけだった。
わだち「…ヤバいな、これ…」
事の深刻さにようやく気付いたのか、わだちは焦りを隠し切れていなかった。
わだち「えっと…
こういう時、どうすれば良いんだろう…
動いて迷子になってもダメだし…」
冷静に考えているように見えるが、今すでに迷子である。
わだち「…5分ここにいよう。
それで誰も来なかったら…ん?」
わだちはそう疑問符を浮かべると、ある一点を見つめた。
そこには、周りに不釣り合いな青い物体が地面にあった。
わだち「…」
わだちは黙ってその物体に近付いた。
その時…
ピョン
わだち「うわ!」
その物体はわだちに向かって飛びついた。
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