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少女は久しぶりに出掛ける、梺にある村へ。
今回は己の作る人形を売りに行く訳ではなく、買い出しをする為に。
その度に村人から嫌そうな顔で見られるので本当に数ヶ月に一回の買い出しで済むように少女は行動をしていた。
別にその様な顔をされるのは慣れきっていて気になる事ではないのだが、売る事を拒まれない様にそうしていた。
梺の村へ行く為に己が住まう家を出て静かな森を歩く。
今日も森は静かで凛としていて、美しく生きていた。
人々からは『人喰いの森』と忌み嫌われる森であったが少女はこの森が大好きであり、離れる気など毛頭もなかった。
美しく静かな愛すべき空間。
それを理解出来ない周りの人間に不快感を感じてはいるが自分を忌み嫌っている人々に向かって無理に弁解する必要もないと少女は何も語らない。
理解出来るヒトなどいないと決めつけて。
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