孤音2

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 その集まりの中心にいるのは一人の青年。  明るく微笑むその表情に優しい声。彼がどの様な人物なのかすぐに伺えた。  誰からも愛される、存在。  少女とは正反対の存在。  人から忌み嫌われる自分とは違い、人から愛される青年。  だが、それを羨ましいと思う感情など少女には存在せず、逆に疎ましい存在であるな、と頭の片隅で思いながらその集団を横切った。  その時だ。  少女の考えすぎでなければ、気の所為でなければ。  青年と一瞬だけ、刹那の瞬間だけ目が合った。  他の村人とは違ったその目を一瞬だけ気にして、でもすぐに忘れて少女は歩き去る。  これが総ての始まり。  ……否、終わりの始まりとなる事を誰が気付いただろうか。
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