始マル

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私が街の入り口に付く頃には、日が完全に空けていた。 雪は白銀のように鈍く濁る。 そう ここが始マリ そしてここが終ワリ それが私に相応しい 敢えて私は歯を剥き出しにして笑ってやる。 汚い街で汚く、醜く全てを飲み込んでやるのだ。一滴残らず喰らってやるのだ。 始めましょう 夢の続きを 終わらせましょう 貴方様の悪夢を そのための時間は永かった。 永すぎた。 全て食べよう 喰らおう 飲み込もう そして私だけを見てもらおう もう一度 モウ一度 もウイチ度 モウイチド 私だけになってもらおう この一歩が私の始まりの一歩であり終わりの一歩だと信じて、私はまた汚い街の一部となった。
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