トワイライト

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―――― ―――――――― ―――――――――――― 騒々しく物々しい雰囲気は誰もが不安を抱えている証拠だろうか? 駅で、軍服を着た男達が緊張した面持ちで家族や親戚、隣組に最後の挨拶をしている。 『お国のため』と皆が同じことを言っている。本音は違うだろうに。 冷めた目でその光景を眺めている私もまた……その建前を口にしている一人だ。 昨晩、家族はもちろん、隣組、学友、親戚達も集まり盛大に祝ってくれた。物資が少ない中おめでたいことだと。私を誇れると口々に褒めてくれた。 私もまた、同じ台詞ばかり口にしていた。そもそも頭が回らなかったのだ。いきなりの招集令状……誰もが戦況を知っている。 なのに誰もが口に出さない。 学友達が最後とばかりに国家、軍歌、校歌を順番に歌ってくれている。それは周りも巻き込み歌が一帯を包んだ。 それを聞きながらも、私は一点を見つめていた。 少し離れた位置で泣きそうな顔で見つめている――――彼女を。 結婚したばかりの最愛の妻を。 籍を入れたのは招集令状が届けられた次の日。お互いの両親も彼女の両親も建前上は喜んでくれたが、本当はどう思っていたのだろうか? 明日、死ぬかもしれない私と結婚した彼女の今後を心配したはずだ。 .
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