魔王エイト

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エイトは立てている指を2本に増やす 『2つめ、別にゲームに勝てなくてもいい あくまで退屈しのぎ、人間の絶望する姿が見たいだけだ お前らに勝てるなんて期待してねぇよ 最悪参加者1人でも楽しむさ』 エイトは浮かべていた笑みを深くして、最後にと指を3本に増やした 『3つめ もしクリア出来たら、クリア出来た時に生き残ったやつにご褒美として 自分の消したい記憶をなかった事にしてやる』 「どういう意味だよ、それは」 男子生徒が訝しげに聞けば、エイトは言葉通りだと短く答える 『誰だって、消したい記憶あるだろ? 黒歴史だったり、嫌な記憶だったり それを自分の記憶からじゃなく、周りの記憶から消してやるって言ったんだ 忘れたくても、周りが覚えてたら意味ねぇもんな 望むなら、本人からも消して完全に“なかった事”にしてやるよ』 エイトの言葉に生徒全員がどよめく 本当に可能なのか? しかし、実際に非現実的な状況を体験している 有り得ない話ではない 『褒美の人数は限られてない、皆で協力すりゃ生徒全員ご褒美ゲットもあり得る どうだ?悪い話じゃねぇだろ?』
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