―前編―

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「ん……ふっ……」 いつの間にか、私は自分からも璃鈴の舌を吸い、その背に腕を回していた。 なまめかしく二人の脚が絡み合う。このまま、どこまでいってしまうのだろう。 そう思った時、唇が離れ、そのまま璃鈴は動かなくなってしまった。 「璃鈴さん……?」 耳元で寝息が聞こえた。 (え、寝ちゃったの?) 璃鈴の顔に掛かった髪をそっと払うと、穏やかに目を閉じた寝顔が現れた。私の体に腕を回したまま、すやすやと寝入っている。 私はしばらくその顔に見入っていた。外はもう明るくなっていて、カーテンの引かれた部屋の中も柔らかい薄明かりに満たされている。 その中で間近に見る璃鈴の顔は、とても綺麗で、私の胸の中に愛しさのような感情をもたらしていた。 規則正しい寝息を聞きながら、私はもうしばらくこの腕の中でまどろんでいようと思った。
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