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「あの、昨夜は本当にありがとうございました。助かりました。でも、どうしてちょうどよくうちに来て下さったんですか?」
「悲鳴が聞こえたから。……なんで、オレ……あそこで寝てたんだ?」
食べ終わった皿を押しやりながら、璃鈴が言った。
「覚えてないんですか?」
「オレ、酔うと記憶なくすから。仕事の後はいつも記憶ない」
「あ、そ、そうなんですか……」
あのキスを璃鈴が覚えていないということが、私は何となく寂しかった。
「あの、お仕事って……」
「ホスト」
予想通りの答えだった。
「じゃあ、毎日大変ですね」
「それよりアンタ、……名前なんだっけ?」
私が彼に名前を告げる。
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