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「ちょっと何よ、これー」
私は両手を使って、思いっきり力を込めた。
「うー……ん、くー……っわっ! キャーッ!!」
突然、私の顔に向かって激しく水が吹き出した。
「ちょっ、な、な、な……」
蛇口の捻る部分が外れてシンクの中に落ちている。
そして栓の無くなったそこから大量の水が噴出し、室内に降り注ぎ始めた。
「やだっ! ちょっ、ちょっと、うそぉっ……!」
水の噴出口を手で押さえようとしたが、そんなことでどうにかなるようなものではない。
私はパニックになって、なんとか栓を元に戻そうとしたが、どうにもならない。
その間に、室内に置かれた家具も、段ボール箱も、私自身もビショビショになっていく。
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