深夜の学校
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夏休みのある日。時刻はすでに深夜0時を回っていた。 タケシは自分の通う高校の階段を上っている。蛍光灯もつけず、ケータイの画面の明かりと非常口の緑の光だけを頼りに。 段数を数えながら上りきると、タケシは一息吐いた。 目的地の音楽室はもう一階上の四階にある。 非常灯の低く唸るような音と靴下で歩くタケシの静かな足音の合間に、かすかにピアノの音が聞こえるような気がした。気のせいだろう。
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