375人が本棚に入れています
本棚に追加
男の子に初めて「好きです」って言われた。人生17年目にして初めての経験。
真っ赤な顔して。でも、覚悟を決めた顔をして。
下校する際に呼び止められて、振り返ったら知らない顔。恋愛なんてしたことないけど、まさか1番最初の“告白”が、知らない男の子にされるなんて思ってもみなかった。
「森久保さんが好きです。もし、今、付き合ってる人がいなかったら、俺と付き合ってもらえませんか」
「……え……」
告白なんてされたことないから、緊張するのは仕方ない。
ドキッとしたかしないかと言われれば、しまくったよ。
「好き」なんて言葉、普通に嬉しいよ。
真剣な眼差しを見れば、初対面でも誠実実直な性格はなんとなく分かる。
だけど、君……
君さ……
私より背が低いよね?
低いって一目で分かるくらい身長差あるよね?
身長差は目を瞑れるとしても……
「……君、何歳?」
背中に背負った黒いランドセルから目を背けることは出来ない。
男の子が少し動いただけで、ランドセル脇にぶら下がっている防犯ブザーが大袈裟に揺れた。
「城上小学校6年1組、津賀谷康平です。年の差は気にしないで下さい」
「無茶言うね、津賀谷君」
最初のコメントを投稿しよう!