初めての告白

5/22
前へ
/444ページ
次へ
うちの末っ子、クー(次男)の髪が伸びて、最近、町を歩いていても女の子に間違われる。目を悪くするからって隆也(長男)が前髪をゴムで結ぶと尚更可愛い。 「可愛い」って言われて満更でもないクー。最近流行りの“男の娘”……姉としては、ちょっと。 「クー、それ飲み終わったらこっち来てー」 床に新聞紙を敷いて、その中心にアンパ○マンの椅子を配置する。髪を切る準備は整ったけど、クー当人はテレビの前でカードバトルのアニメに夢中……て………あぁあっ!! 「クー!! コップ傾いてる!!」 「あー」 「あ~あ~……びしょ濡れだ。どうするの、クー?」 「……メイちゃー……」 服もカーペットも牛乳でびしょ濡れ。一応、反省するような顔をするものの、これは演技で『メイちゃんが片付けて?』と……目で訴えかけてくるうちの小悪魔。 小首を傾げて上目遣いをすれば、何でも許されると思ってるんだからなぁ……母さんや隆也が甘やかすせいだ。 「バンザーイ」 「ばんちゃー!」 Tシャツを剥ぎ取り、洗濯機行き決定。クーには台布巾を渡して片付けを命じるんだけど、完成度はいつも50%。クーのやり残しを片付けている間、半裸のクーが背中に突撃。遊ぶ元気は幼稚園で発散させてこいっての……
/444ページ

最初のコメントを投稿しよう!

375人が本棚に入れています
本棚に追加