初めての告白

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「にゃんにゃにゃあひうさんっ♪」 「クー、『にゃ』じゃなくて『ラ』だよ。ララララあひるさん~」 「にゃーにゃー」 「ララ ララララやぎさんも」 「にゃー」 「歌声あわせよ、足並み揃えよ、今日はゆか~いだ~……あれ」 「う?」 公園に着くと先客がいた。先客がいるのは珍しくないんだけど……その先客っていうのが、子連れのママさん、パパさんじゃなくて、私と同世代の子が女の子を連れてる光景が新鮮だった。 しかも、その保護者っていうのが確か隣のクラスの……………………………………………あ、名前、知らないんだった。 ただ体育の時間は3組と合同だから顔だけ知ってる。 ギャル系が多い3組の中で飛び抜けて大人しいというか、地味というか、暗いというか……影を背負った雰囲気は逆に目立ち、「あの子、浮いてるね」なんて、4組のうちらの会話に出てきたこともある。 重たい黒髪。細い体に白い肌。肌が白いから余計に顔のソバカスが目立ち、“隣のクラスの子”という認識がなければ、中学生に見間違えるかも。 そのホニャララさんは妹らしき女の子をブランコに乗せて背中を押してる。初めて見る彼女の笑顔に『……笑える人なんだ』って……失礼な印象を抱き、慌てて首を横に振った。
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