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「僕の合図でカッターを出して、布を切ってください。」
弓恵さんは腰で上向きにぶら下がる姿。
「その姿勢では着地する時に衝撃が強い。」
弓恵さんはカッターを取り出そうと、僕から目を離した。
ゆっくり。
ゆっくり。
僕は足場から身体を降ろす。
位置が下がり始めた事に弓恵さんが気付く。
「宝田さん、何をしてるんですか!」
僕は足場にぶら下がろうとしていた。
穴から足場まで約50センチ。
僕の身長は1メートル。
腕のリーチ分から頭部の高さを引いて20センチ弱。
ここまでで1メートル70センチ。
僕と弓恵さんの間にある布の長さ2メートル。
合計3メートル70センチ。
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