営業出発

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急ぎの分がなかったとはいえ、システム障害でもないのに顧客の所に行かせたら僕は残業。 業界に残業手当はほとんど出ない。 今度焼鳥奢らせよう。 愛車を走らせていると、僕にも気晴らしになる。 高速などなら誰も僕の容姿に気付かない。 FMのボリュームを上げ、明るい太陽の下、坂上工務店に向かう。 お爺さんの相手かぁ、僕は30男なんだけどな。 10歳の時、学校の非常階段から落ち、したたか頭と背中を打ち付けた。 脳波異常、脊髄の損傷、健康状態に変わりはなく、日常生活を送るのに差し障りは無かったが、全く身長が伸びなくなった。 検査はしなおしになって、僕はあらゆる機械にかけられることに。
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