秋沼商会

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秋沼商会はオフィスビルに入っている。 1フロアぶち抜きで借り切ってる辺り、おばさんの手腕は見事だ。 本部はビルの11階。 エレベーターを降りると、受付嬢がいつもにこやかに微笑んでいる。 「アポイントとってる宝田ですが。」 案内されて応接セットまで移動。 あぁ、成金趣味。 重厚な革張りのソファ、赤黒いふかふか絨毯。 でかい花瓶、高そうな絵画。 灰皿はピカピカのどでかいクリスタル。 硝子の透明感からして、これも高そうだな。 「失礼します。宝田さんお久しぶりです。」 受付秘書が飲み物を僕の前に置く。 「ジュースはやめてって言ったよね。」
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