秋沼商会

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身体に良さそうな果汁100%オレンジ。 しかもストロー付き。 「珈琲なかったら、緑茶でも構わないからさ。」 八重歯の可愛い受付秘書は、僕の頬を突く。 「だってぇ。社長から言われてますし、宝田さんには似合わないですよ。」 似合う、似合わないで決めないで欲しい。 ジュースは煙草に合わないんだから。 そして突くのやめなさい。 僕は君よりずっと歳上だよ。 「いやん、可愛いぃ。」 抱き着いちゃいけません! 仕事中の社会人でしょ。 柔らかで良い匂いがするから名残惜しいけど、僕は仕事しに来てるの。 「離してね。僕は三十路、本当に10歳じゃありません。」
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