1066人が本棚に入れています
本棚に追加
薄く目が開く。
本当に開いているのか?
おびただしい煙りと土埃に似た建物の塵が混じり、視界は黄色ががった灰色で覆われていた。
激しい爆発でも起きたのか。
手探りで穴を探す。
布の先にあるはず!
繋いだ布が引かれているなら、弓恵さんはまだ落下してはいないだろう。
およそ6メートル。
家屋の2階以上。
距離的に死亡は少ない。
それでも。
4メートル強の床に落ちただけで、僕はこれだけの傷を負っている。
剥き出しのコンクリートと側溝、砂利と石。
そこに無防備な弓恵さんを落とすなんて出来はしない!
布が食い込む痛みは救い。
弓恵さんを助ける!
最初のコメントを投稿しよう!