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「お願、い……死、なないで……。」
悲しそうな声。
「……返事して……。」
あまりに苦し過ぎて話せないんだ。
「宝田さん……目を開けて……。」
瞼が開かないよ。
重力が倍増したように身体中重たい。
指先ですら動かすのは辛い。
悲痛な声音が続いてる。
どうにかしてあげたいのに、どうにも出来ない僕が居る。
「何故、そこまで出来るの?」
何も出来ていないよ。
聞こえてくる声にも応えられないぐらいにね。
眠らせて。
とてもきついんだ。
意識を手放して混濁に溶け込んでしまえば、この痛みも解らなくなるかな?
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