宣言

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「宝田さん、今何処にいるか判りますか?」 身体の下側が硬い。 平らではない。 焦げ臭さ。 ぼやけているけど流れて見える黒煙。 遠く見える空。 あぁ。 「……落ちた、場所。」 そのまま居るんだ。 警察も消防もまだ来ていないのか。 「弓恵さん、怪我は?」 落ちる直前当たりの意識が飛んでいる。 「何を言ってるんです!自分の状態が判ってるのですか?」 口内を切ったのと内臓の損傷かな。 多分肋骨が完全に折れていて妙な事になってるみたい。 他にも脱臼や骨折がありそうだ。 このまま救急車が来ないと危ないかな。 でも次を急ぐ気持ちが無い分穏やかだ。
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