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「終わりみたいに言わないでください。」
消え入りそうに弓恵さんが呟く。
「弓恵さん、幸せになると、誓って欲しい。」
血まみれで聞かれたくないとは思うけど。
「僕に、悔いが残るなら弓恵さんの、傷痕になって、しまうこと。」
声を出すのも限界。
想いを全て伝えきれないもどかしさ。
僕には次のチャンスは来ないかもしれないから。
「誓います。誓うから……宝田さんも誓ってください。」
涙で顔をくしゃくしゃにして弓恵さんは僕に宣誓を求めた。
「最後まで諦めないで……今も……未来も。」
それは生き延びる事のみを指しているのか。
将来に消極的だった事も指しているのか。
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