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ビルは黒みがかった壁、大きな硝子。
朝日を浴びてどうどうそびえ立つ。
入口は大きく僕の2倍以上、玄関のベンジャミンの方が僕より背が高い。
小走りに駆け抜け、エレベーターで5階まで上がる。
開発部1課、僕の所属部所だ。
「おはようございます、宝田さん。今日はゆっくりですね。」
オフィスの扉を開けると、鈴木さんの明るい声で迎えられる。
「おはよう、鈴木さん。今朝はちょっとね。」
書類をがさがさ出していると、珈琲を入れてくれた。
「営業部の係長から内線入ってましたよ。」
綺麗なマニキュアを塗った指で、連絡メモを渡す。
「係長?芳田?また人を使う気なのかな。」
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