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「あれかぁ!」
パパラッチがネクスト―アナーキスト―の中で、攻撃目標を確認した。
アナーキストはレッドバレー渓谷の崖にいた。夜のはずだが、不思議と肩だけは輝いていた。
オーメル・サイエンステクノロジーの輸送機、その内ネクストが乗っている3機が目標である。喜ばしい事に、他よりも大型でオーメルのエンブレムがデカデカと貼られた輸送機が3機ある。
「それだ、だから早くすんだ」
通信から声がする。老人のものだが、威厳が感じられる。
「わかったよ、王小龍!」
時は遡る。
通信機の通信をONにし、通信を受ける。
「私だ」
老人の威厳ある声がする。これだけでこの老人がただ者でない事がわかった。
「王小龍か!依頼だな!」
パパラッチが相手の名を叫ぶ。普通のリンクスなら、その名を知らないものはいない。
「そうだ、詳しくはおって連絡する、受けるのか」
王が聞いてくる。通信で言わない辺り、きな臭い依頼なのは間違いない。
「当たり前だぁ!」
「わかった、ならば迎えをよこそう」
数時間後、輸送機の中にパパラッチ達がいた。
「依頼の内容だが、オーメルのラインアーク進行部隊を足止めして貰いたい」
王が依頼内容を言う。やはり通信で言える内容ではなかった。
「ラインアーク進行は企業連の総意じゃなかったのか?!」
パパラッチは、答えがわかっていて敢えて言った。
「少なくとも今回のものは、オーメルの暴走です」
「はっきり言えば、もはやラインアークを進行する価値はない」
王の横の女性がそう告げ、王が付け足す。
「・・・あの人、誰?」
マリアが、女性を指差し呟く。
「申し遅れました、メアリー・スーです」
メアリー・スーと名乗った女性が頭を下げた。
「メアリーに、戦場を見せる意味で連れて来た」
王がそう告げる。そして、依頼の続きを言う。
「特に、ネクストを乗せた3機の輸送機、あれは確実に沈めて貰いたい」
王が言い、パパラッチが馬鹿にした様に語る。
「オーメル様はいつまで盟主気取りなんだ!しかもネクスト3機だぁ?ラインアークなんざAFで十分だろ!」
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