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荒野に複数の巨人がいる。
あるものは廃ビルの上に居座り、あるものは地上を陣取る。
彼らの視線の先には、彼らと姿の違う巨人がいる。
巨人は黒く、彼らと比べ遥かに痩身であった。
痩身の巨人は背中から光を放ち、彼らの内、比較的近くの巨人に接近する。
彼らは手に握るバズーカや背部のミサイルを放つ。
痩身の巨人は蛇行して、バズーカを回避し、正面の巨人に左腕のマシンガンで蜂の巣にする。
巨人は避け切れずに、血の変わりに派手な爆発を見せる。
だが、ミサイルが痩身の巨人に直撃し、視界が暗くなり、画面には赤い字で
『dead』
と、表示される。
『No.3シミュレーション終了』
スピーカーから老けた声がし、シミュレータから女性が出て来る。女性の近くに白衣の男が来る。
「ネクストを駆り、ノーマル1機とは・・・」
白衣の男が先程のシミュレーションの結果を告げる。
「ごめんなさい・・・」
20歳を迎えた位の女性が、見た目より幼い口調や声で謝罪した。
「謝っても結果は変わらないんだよ・・・全く」
白衣の男が謝罪を適当にあしらい、データをまとめる。
「回避率58%、マシンガン命中率65%、ブレード命中率78%、生存率15%、本当にNo.3がベースなのか?」
今までのシミュレーションを総合し、データを突き付けた。
「本物のNo.3はノーマル相手ならブレード命中率、生存率共に100%だというのに・・・」
本物と比べた所で、別の白衣の男が来た。
「強化処理をすれば良かろう」
「これ以上強化しようにも、ベースが弱ければ金の無駄なんですよ、それに・・・」
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