「隣のあの人」

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初めは気がつかなかったけど、肩に頭が乗っかってきて気がつく。 朝よりタバコの匂いがきつくなった彼の匂いと、電車の揺れが相まって私もいつの間にか眠りに落ちる。 寝過ごした!と慌てて起きた時にはもう彼はいなくて、電車も私が降りる駅から2駅もすぎていた。 それでも、肩に微かにタバコの香りがするような気がしてドキドキしたのを今でも覚えている。 あの時から、彼が気になるんだと自覚したような気がする。 名前も、どんな人かも知らないあなた。
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