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丑三つ時を少し過ぎた京の町
人っ子一人歩いている者はいない
そんな中、白い吐息を吐きながらゆったりとした足取りで歩く二つの影
「はぁ~、さみぃ」
一人の男は派手な着物を纏い、両腕を着物の中に入れて暖を取る
「心地いい運動の後はこのくらいが丁度いいよ。歳なんじゃない?晋作」
「あぁ?大体なぁ、折角、島原で女抱いてんだったら朝までゆっくりさせろってんだ。寝て起きてまたヤるのがいいんだろうが」
隣を歩く涼しげな表情の男に苛立ちながら、晋作と呼ばれた男が苦い顔をあからさまに見せる
だが、一見、女と見まごう男は意にも介さず、どこ吹く風だ
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