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だいぶ暖かくなって来たが寒がりのじゃじゃ馬は部屋の隅で着ぶくれして眠っている
晋作はブラブラしてくると出ていた
桂さんも忙しくいない
猫か犬のように丸まって寝ているじゃじゃ馬を少し離れて見ていた
静かな部屋にスースーと心地良さげな寝息だけが聞こえる
僕の天敵のじゃじゃ馬がちょっとだけ可愛く見えたのは、きっと気のせいだ
って言っても、このじゃじゃ馬はまだ十五、六の子供だ
普通は嫁に行く年頃だけど、どこをどう見ても色気なんてないし
遊女を相手にしてきた僕から見たら、鼻垂れ小僧と同じようなものだ
そう言えば、晋作が今夜島原に行こうって言ってたなぁ
でも………じゃじゃ馬が一人になる
別に小さい幼子じゃないんだから一人にしたって別にいいけど
急にじゃじゃ馬の呼吸が変わった
「………?」
荒くなる呼吸に応じて小さな肩が上下に動く
何で僕しかいない時に……
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