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「今夜は気分じゃないから島原は行かない」
僕がそう言うと、晋作は目を見開いて固まった後、僕の額に手を当てた
「どっか具合でも悪いのか?」
「悪くないし。晋作一人で行ってきて」
じっと僕の腹を探るように晋作は見つめてたけど
「じゃあ、行ってくるわ。朝までゆっくり出来る~」
嬉しそうに晋作は出て行った
「朝までゆっくりしたいなら最初から僕を誘わなくていいのに」
ひとりごちて、畳に寝転んだ
目を閉じれば浮かんでくるのは、じゃじゃ馬の切ない泣き顔だ
あれから少ししてじゃじゃ馬は目を覚ました
夢の余韻なんてどこにもない
『バカ麿』
起きて第一声がそれ
ちょっとイラッとしたから鼻摘まんでおいた
でも、いつものじゃじゃ馬で安堵した
また泣かれたら、どうしていいか分からないしね
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