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夕餉を終え、僕はそのまま晩酌をしながら窓の外をぼんやりと見ていた
襖が開き、風呂上がりのじゃじゃ馬が髪を手ぬぐいで拭きながら部屋に入ってくる
窓辺にいる僕に躊躇いなく近づいてくると、妙に至近距離で顔を覗き込んでくる
上気した頬がやけに赤くて、僕の心臓がバクバクと激しく打ち始めた
「な・・・何?」
『お風呂どうぞ』
拍子抜けする言葉にガックリと肩を落とす
紛らわしいんだよ!!
別に何かを期待した訳じゃない
なのに、落ち込んでいる僕がいた
「入るよ」
すごすごと部屋を出た
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