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潤んだ琥珀の瞳は僕を見ているはずなのに、どこか別の場所を見ているような、もどかしさを感じる
「心千花」
華奢な肩を掴んで揺すった
焦点の合わなかった瞳がゆっくりと僕を見つめる
『バカ麿?』
この場面で『バカ麿』はないだろう
だけど、今はそんなことより僕を見てくれたことに嬉しくなる
「魘されてた」
『・・・・・』
まだぼんやりとしているじゃじゃ馬は、ゆっくりと起き上がると布団を出て行く
「え?ちょっ、どこに行くんだよ」
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