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裏庭にある井戸の前に佇む華奢な背
夜着のまま、頭から井戸水を被る心千花がいた
「・・・・おい」
様子がおかしい
また井戸の水を汲み上げ、冷たい井戸水を頭から被る
僕はどう声を掛けていいか分からず、呆然とひたすら水を被り続ける心千花を見ていた
だけど、まだ弥生になったばかりだ
日中はだいぶ暖かくはなって来たけど、夜はまだ真冬だ
おまけに井戸水は凍える程に冷たい
何度目かも分からない行水を見て、僕は我に返る
「心千花!」
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