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「もう、いややわぁ。梅はんたらぁ」
馴染みの菊香(きくか)を朝目覚めても求めた
こんなにゆっくりするのは、本当に久しぶりだった
今度から稔麿とは別行動にしよう
何度目かも分からない高みに満足しながら、心底そう思った
菊香に見送られ、既に賑わう町を気だるい体で歩く
「壬生浪(みぶろ)や」
「何や、あのダンダラ。趣味悪いわ」
町娘たちの潜めた声に振り返れば、浅葱の隊服を身に纏い、闊歩する数人が歩いてくるところだった
巡察か
幕府の犬である壬生浪士組は京の守護が命だが、京の人間には嫌われていた
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