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『稔麿。無茶してないだろうな?』 俺の問いに稔麿は寂しげに微笑んで 『大丈夫。心千花は男を知ってたよ』 愛しげに心千花の頬を撫でた 『僕が心千花に抱かれたみたいなものかもね』 意味はよく分からなかった だが、鬼畜な抱き方をする稔麿を心千花は受け止めたんだろうと思った 松陰先生が亡くなってから、誰にも心を開こうとしなかった稔麿 遊女を抱いても傍に置いて眠ることも出来ない神経質な稔麿が心千花を抱いて眠っていた事実 愛する男に殺されかけた心千花と大切な人を失った稔麿 二人の心の傷が少しでも癒えることを願う 稔麿も心千花も俺にとっては可愛い妹、弟のようなものだ 幸せになって欲しい 今頃、抱き合って眠っているだろう二人を想像して、俺は緩む頬を掻いた .
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