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長州藩邸の大きな桜の木に小さな薄桃色の蕾がついた
それを見つけて頬が緩む
『もうすぐ咲くなぁ。きっと綺麗だろうね。楽しみ』
洗濯の手を止めて、あたしは頬を緩めて呟いた
「ココ~、どこ~?」
寝坊した稔麿があたしを呼ぶ声が聞こえる
『バカ麿はシカトだ、シカト!朝方までやりたい放題ってどうなの?あれが絶倫って言うヤツなの?求められるのは嬉しいけど、こう毎晩は・・・ついていけないし。おかげで腰は痛いわ、眠いわ・・・今夜は絶対にしないんだから』
「コ~コ~」
未だあたしを探している声を完全に無視して、残りの洗濯を干す
「いた!もう、呼んでるのに」
口をヘの字にして拗ねている稔麿が縁側から庭へと出てくる
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