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庭の桜が咲き誇る頃
長州藩邸に出入りする藩士が増えた
食事の世話や洗濯が増え、あたしは忙しく過ごしている
藩士たちは揃って食事をする為、広間に膳を忙しく運んでいると稔麿が柱に寄りかかってじっと見ている
『暇なら手伝いなさい』
膳を無理矢理押し付けて、並べるように指示をして厨に駆け出す
「おまえたちも手伝いなよ。自分たちの夕餉だよ?」
稔麿が膳を並べながら、歓談している藩士たちに冷ややかな視線を送る
渋々と藩士たちが手伝いを始め、稔麿があたしの元へ駆けてくる
「次は何運べばいい?」
『じゃあ、お櫃お願い』
「は~い」
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