十二

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あたしが水を飲むと、粥を持ってくると斎藤が部屋を出て行く 最小限の動きで頭を動かし、部屋を見れば、六畳程の和室には文机と和箪笥があるだけでとても殺風景だ 斎藤の部屋なら、彼らしいと思える 浅葱のダンダラが壁にかけられてあるのを見ていた ここは壬生浪士組の屯所かな? ふと視線に気づいて天井を見つめる 『誰?』 唇を動かせば、天井の一部が開き黒装束の男が降りてきた 『に、忍者だぁ』 初めて見た忍者に目を輝かせる 「なんで分かったんや?」 忍者は不機嫌そうにあたしを睨んだ .
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